「ご飯がおいしいってことを忘れてた」丸山桂里奈さん・本並健治さんがたどったアスリートの「食」事情
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「ご飯がおいしいってことを忘れてた」丸山桂里奈さん・本並健治さんがたどったアスリートの「食」事情

今回登場いただくのは、元なでしこジャパンの丸山桂里奈さんと、Jリーグ草創期から活躍した元日本代表選手の本並健治さん夫妻。19歳差という“年の差婚”でも話題を呼んだ元サッカー選手同士の結婚はこの9月で1周年を迎えました。
元アスリート同士のおふたりなので、「今でもストイックな食事管理」「プロテインやサプリにもこだわりあり」といった食生活を想像していましたが、現在の食卓はそうではないようで……。選手時代の食事トレーニングから、この1年の新婚生活の食卓まで、仲良し夫婦の素顔をうかがいます。

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食材選びのポイントは「寿命」

――ご結婚されて1年、おふたりでの生活には慣れましたか。

丸山桂里奈さん(以降、丸山) 結婚前に同棲したりはなかったので、入籍後にはじめてふたり暮らしをしました。忘れもしない、去年の10月21日からですよ。でもこの1年、一緒に過ごせる時間って毎日、夜だけだよね。

本並健治さん(以降、本並) 基本、朝からどっちかが仕事でいないからなあ。一緒にご飯食べられるのも夕飯だけやな、ほとんど。

丸山 あ、でも一緒に月曜レギュラーで出演している『ラヴィット!』(TBSテレビ)は料理上手なロバートの馬場(裕之)さんのクッキングコーナーがあるから、それ目当てで朝食抜いてるよね。試食タイムが多い『ラヴィット!』にはマジで助けてもらってます。

それ以外の日で、朝から本並さんが出かける時はおにぎりとかを持たせています。本並さんって、独身時代はほとんどコンビニ飯だったんですよ。だから結婚した今は栄養バランスのいい、手づくりのご飯を食べてもらいたいなと思って。

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――本並さんの健康にすごく気を遣われているんですね。

丸山 本並さんは私より19歳も年上なので、普通に考えたら私が1人になる可能性が高いじゃないですか。だから、本並さんの寿命が少しでものびそうな食材はなんでも試してるんです。参鶏湯(サムゲタン)に高麗人参を忍ばせたり、黒にんにくを食べてもらったり……。この前も本並さんが長生きするようにって、静岡の秋元さんが「延命酢」をくれました。

――静岡の秋元さん……?

マネージャーさん 番組で共演している静岡第一テレビのアナウンサーさんです。 

本並 急に「秋元さん」言われてもわからんよな(笑)。そうやって彼女がいろいろ食べさせてくれるけど、正直効果はよくわかんない。それに僕はもともと量を食べられないんで、とにかくいいものを、ちょっとずつ食べたいんです。

丸山 でも肉はめっちゃ食べるよね。質にもうるさいし。

本並 僕は実家が大阪の肉屋だったんです。小さい頃から毎日肉を食べてたし、それもいい肉しか食べてこなかったんですよね。

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ご自宅でお肉を食べる本並さん(丸山さん提供)

丸山 肉って、値段と味がけっこうダイレクトに比例しますよね。ちょっと安い肉を買ってくると、本並さんはすぐ「これって○○産?」って聞いてくるから大変。国産肉だと柔らかくて歯にも良いですけど、値段が高いですからねえ。

本並 歯?

丸山 歳とると欠けたりするでしょ。

本並 肉で歯が欠けるか、そんなもん。

丸山 でも私はカルビで欠けたことあるんだから!

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――では本並さんの“味の原体験”も、肉料理ですか?

本並 小さい頃からにんにく醤油で牛肉とネギを炒めたおかずが好きでしたね。亡くなった母の得意料理で。

丸山 本並さんから聞いてその牛肉炒めをマスターしたんですけど、結婚してから作ってないね。そろそろ作んないとね。
私は関東ですけど、本並さんは関西出身で実家が肉屋さんってこともあって、とにかく牛肉文化なんです。でも牛肉は高くて、肉だけでお腹いっぱいにするのはお金的に大変なんで、きのことかでかさ増ししてます。もちろん、栄養面でもそのほうがいいですし。

あとは、いい肉をいかに安く買うかってことも考えてます。MEGAドンキ(MEGAドン・キホーテ)だと1900円の肉が半額とかになってるんです。これはマジでおすすめですよ! ちょっとでもいいものを本並さんの身体に入れてあげたいんで、そこは頑張ってます!

ーーほかにも、関東と関西の食文化の違いを感じることはありましたか?

丸山 関西って薄味で出汁をきかせる感じですよね。でも関東の我が家(丸山家)はなんでも味が濃いんです。だから最初は「味どう?」って聞きながら作ってましたね。

あと我が家は、日本の家庭で一番早くタイ料理の「ガパオライス」を取り入れていたんですよ、たぶん! 私、小学校低学年から普通にガパオ食べてましたから。お母さんがタイ人のお友達に伝授してもらったんですって。

本並 僕なんか最近やもん、ガパオライス知ったの。でもパクチーとか香草類が一切ダメだから、基本的に僕はタイ料理あかんな。

丸山 本並さんは肉以外だと卵料理が好きだよね。卵焼きと味噌汁があったらそれでもうOKって感じで。うちのお母さんも本並さんが卵好きなの知ってるから、よくお土産でくれるんですけど、そのおかげで家には卵のストックが4パックもあったりします。

そうそう、うちのお母さんと本並さんって顔が似てるんですよ。実の親子の私より断然! だからなのかな、うちのお母さんは「本並さんといると楽ちんだわ〜」って言ってます。仲良しでありがたいです。

丸山さんと丸山さんのお母さん(丸山さんのInstagramより)

食事は「味わう」ものでなく「摂取」するものだった

――本並さんのInstagramにはよく食事の写真がアップされていますが、野菜もタンパク質もたっぷりで美味しそうです。ずっと現役時代のような体型をキープされていますし、元アスリートだけあって、現在も栄養バランスに気をつけていらっしゃるのでしょうか?

本並 いえ、気をつけてたのは現役時代だけです(キッパリ)。野菜も嫌いだから食べたくないし。僕、炭水化物が好きなんで夏なんか毎日、麺です。

(本並さんのInstagramより)

丸山 本並さんは食べても太らない体質なんですよ。でも現役のときはコントロールしてたでしょ?

本並 現役時代は身体が資本だから、身体をつくるためにある意味、練習の一環としてご飯もバランスよく食べてましたよ。

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丸山 わかる! 「味わう」じゃなくて「摂取する」って感じだったよね。私は、選手時代はずっとカーボローディング法(長時間の競技に必要なエネルギーを体内に蓄えるため、食事の栄養バランスを調整する方法)をやっていました。日曜から木曜はタンパク質を摂るため鶏肉だけを食べて、試合前の金土は炭水化物だけ食べて、っていうリズムの食事法です。そんな生活を十年以上やっていました。

――食事もトレーニングなんですね。

丸山 そうですね。ずっと「いいパフォーマンスを出すために、栄養素を身体に取り入れる」って感覚でご飯を食べていたので、引退後は「こんなおいしいものが世の中にあるんだ!」って驚きましたね。ご飯はおいしいものだってことを現役時代は忘れてたかもしれないです。

――丸山さんは、駄菓子好きとしても知られています。現役時代はやっぱりお菓子はNGでしたか?

丸山 駄菓子は隠れて毎日食べてました。でも「蒲焼さん太郎」一枚とか、「酢だこさん太郎」一枚とか、かわいいもんですよ! とにかく「駄菓子を途絶えさせない」っていうのは自分の中で決めてましたね。

――(笑)。丸山さんの食の歴史に駄菓子は欠かせないですね。

丸山 もちろんです。生まれて、自分の足で立ったときから食べてますから。一番好きな駄菓子は、「蒲焼さん太郎」と「焼肉さん太郎」と「ぷくぷくたい」と「キャンディーボックス」と……、ひとつには決められないですね(笑)。

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「ヤバい、本並健治がソファ座ってる」

――今のお食事は、基本的に丸山さんが作っていらっしゃるのですか?

本並 はい。僕、ご飯作れないんで。

丸山 でも本並さんはきれい好きなんで、掃除を率先してやってくれてます。お互い、得意なことを分担している感じですね。

あと食事でいうと、私たちは付き合っている当初から家でご飯を作って食べることが多くて、外食にはほとんど行ってないんです。

――交際期間がコロナ禍だったから、でしょうか。

丸山 それもあるんですけど、交際がバレちゃダメだったんです。東京ガールズコレクションで結婚を発表することが決まっていたので、それまでは本当に超重要機密みたいな感じでした。
外で食べたご飯はテイクアウトのたこ焼きくらいで、ふたりで外に出るのは夜中、人目につかない緑道をジョギングする程度。西尾さんには親にも内緒にしてほしい、って言われましたもん。

本並 西尾さんっていうのは、事務所のエラい人な(笑)。

丸山 でもそれくらい誰にも話してなかったから、みんなどれだけ驚くだろうって、当日までめっちゃワクワクしたよね。神父役をお願いした前園さん(前園真聖さん。元サッカー日本代表選手)には前から話してたけど、前園さんは口かたいですね。全然周りにバレなかったです。

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――そうだったんですね! そもそもおふたりは直接出会う前から、お互いに選手としては知っていたんですか?

本並 僕が「丸山桂里奈」をはじめて知ったのは多分、彼女が大学生の時ですね。それまで女子サッカーはあんまり見なかったけど、たまたまテレビで試合をやっていて。「女子にもこんなスピードがあってドリブルできる子がいるんだ」って驚いたのが、彼女の第一印象でした。

丸山 Jリーグができたとき(1993年)は小学校5年で、私はまだサッカーをはじめてなかったんですけど、本並さんのことは知ってました。「すごい選手」みたいな感じで。だから大人になってからもずっと「Jリーグ開幕当時のオリジナルメンバー」「レジェンド」って印象を持っていた感じです。

――まさかそのふたりが将来結婚するなんて……。

丸山 ね、ほんとですよね! 誰も想像できなかったよね、ってよくふたりで話してます。

しかも、スペランツァFC大阪高槻(なでしこリーグ)っていう、私が所属していたチームの監督を本並さんがやってたので、一時は監督と選手って関係だったんですよ。

本並さんが監督に就任した時、私はちょうどロンドン(2012年開催のオリンピック)に行っててチームにいなかったんですけど、チームメイトから「本並健治マジでいる」「見て、この(顔の)彫り」とかって、本並さんを隠し撮りした写真がバンバン携帯に送られてきてました(笑)。周りにとっても本並さんってそんな存在だったんですよ。

だからいまだに家に帰って、ソファに座っている本並さんを見ると、ふと「あの本並健治じゃん!」って思っちゃいますよね。

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————おふたりで過ごす時間は楽しそうです。

丸山 楽しいです! ふたりでゆっくり過ごせるのって本当に夜くらいなんですけど、どんなに遅くなっても毎晩、一杯だけはふたりで晩酌してますよね。

本並 そこで今日はこういうことあった、ああいうことあったとか話したり、仕事の相談をしたりもしています。お互いにストレスを溜めないようにね。僕にとって、ふたりで過ごせるご飯や晩酌の時間は、リフレッシュの場であり、リラックスできる場でもあるかな。

丸山 今はご時世的に、外食に行ったり、人とご飯を食べたりすることもなかなかできないですよね。だからこそ、家で普通に「一緒にご飯が食べられる」って幸せだなと感じるようになりました。疲れたり嫌なことがあったりした時も、同じご飯を食べながら話せる場所があるって、「すごい味方がいるな」って思えるんですよね。

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丸山さんの自由奔放な表現をしっかり受け止め、的確にツッコミやフォローを入れる本並さん。その包容力はまさに“伝説のキーパー”そのものでした。また、「アスリートは食事もトレーニング」というお話に、世界で戦ってきた人ならではのプロフェッショナルな姿勢を垣間見た気がします。
ちなみに丸山さん、外食で「なか卯によく行く」と話されていたのですが、その直後、「松屋さんのキムカル丼も大好きです!」とフォローを入れてくださり、思わず大笑いしてしまいました。

取材:松屋フーズ・小泉なつみ 執筆:小泉なつみ 写真:高澤梨緒 編集:ツドイ

これからもよろしくお願い致します!
松屋は「みんなの食卓でありたい」を企業メッセージに掲げています。国籍、人種、性自認、趣味嗜好の多様性が表面化し、それぞれが尊重される現代の日本。この国における「みんな」とは何か。取材班が、各地の「食卓」にお邪魔し、人生を聴いて、2021年現在の「みんな」について考えていきます。